ChokiChoki x Belle époque 2018 HAIRSTYLE COLLECTION

ChokiChokiというヘア雑誌を撮影させてもらって、もう13,4年位になります。

昨年かな?ここ昨今の雑誌不況の波にのまれ、一時休刊しました…. が、約一年で復刊という快挙を成し遂げています。(凄いこと)ここでは一度には書ききれないほど思い出があります。カメラマンになってずっと撮影させてもらってるし、その頃はフィルム支給だったのでかなり鍛えられました。プロビアというポジフィルムでの撮影はいまのデジタル撮影から思うと集中力が違います。1本10枚位で1カットは2,3本撮ればいい方でテストやら現像やらと色々とやることがありましたな。使ってるカメラも違うし、アシスタントも必要だったりと懐かしいです。当時2004年頃は男性ファッション誌は宝島のSMARTが全盛でBOONとか色々と勢いのある雑誌が多かった。内外出版社のChokiChokiなんて聞いたことないぞ!ヘア雑誌?何それ?という感じでした。実際原宿でもお店に洋服を借りに行くときも、そんな雑誌は知りませんと言われ貸出しを断られたこともあったと聞きました。

そんなChokiChoki編集部の「姫」が「おしゃれキング」という企画を立ち上げて、大ブレイクしていきます…..「キング」の初期から撮影させてもらって、読者モデルの「キング達」がスターになっていくのも、草食系という言葉が出てきたのも、闇金ウシジマくんのネタになったのも、ヤフオクで「キング本」が高値で取引されてるのも、ラフォーレの本屋で売り上げがトップになったのも、WWDで特集されたのも……色々あるけどいい経験をさせてもらいました。

初期ChokiChokiのキングはスタイリストがいなくて彼ら自身が私服をコーディネートをしていました。当時のストリートファッションです。(当時はスタイリスト全盛期だったような)ハイブランドに古着を合わせてとか、靴は大きめとか皆んなそれぞれに個性があって撮影してて面白かったです。

ここ最近は美容学校ベルエポックがChokiChokiとコラボ?しています。今回はいま1番勢いのある「OCEAN」の雨宮氏のヘアスタイルワークを、また最近お世話になっている美容室siikaのmitsuo氏が卒業生ということもありサロンワークを撮影させてもらいました。

そこでなんと俺の息子(4歳)がモデルとして登場しました!パパが息子を撮影して雑誌に掲載されるという貴重な体験をさせてもらいました。なんというかただの親バカですが、カメラマンをしてきて良かった瞬間でした。いい思い出がまた増えましたと!ありがとうございます、ChokiChoki!

 itsuki x siika / 6.6.2018 itsuki x siika / 6.6.2018itsuki x siika / 6.6.2018

 OCEAN TOKYO 雨宮雄三 / ChokiChoki x Belle epoque 2018 HAIR STYLE COLLECTIONsiika Mitsuo Hayasaka  / ChokiChoki x Belle epoque 2018 HAIR STYLE COLLECTION

「誰だ!電源落としたのは!」

D850が発売されたのが、2017年8月だから約1年経つ。

色々なところで評判がいいので気になっていた。

デジタルカメラの進化はもうとっくに興味を失っていたが、もう一度理解すべくスタジオショップに勉強会に行った……

サイレント撮影に興味があったが、ライブビューでしか出来ないから購入は悩むな。

俺はたぶん最後のフィルム世代だと思う。あれはまだバナナスタジオの頃、アメリカ帰りの凄いカメラマンが来るっていうから、その時のトップだった俺がファーストでスタジオに入った。助手席で大きなダンボールを抱えた赤のボルボ240が駐車場に入ってきた。出迎えてスタジオに案内してるとジャストサイズのストライプのスーツを着たイケメンの男がカメラマンとして挨拶してきた。(某歌手と結婚してた人)3年のスタジオライフでスーツのカメラマンは初めてだった。媒体は確かPOOLというモード誌だった気がする。段ボールを抱えてたアシスタントが「何もしなくてもいいですからライトだけ組んでください!」と声をかけてきた。あーそうですか〜と(3年もいると生意気)セットを組んで様子を見てたら何やらPCのマウスから組んだストロボライトを飛ばしている。なんだそりゃ?とこっちはポカン状態。コーヒーのお代わりを作ったりしながら撮影の様子を見ているがPCに画像が写っていて何がなんだかよくわからない。当時スキャンで画像をPCに取り込む事は知っていても、RZのカメラからPCにデータを取込むのははじめて見た。そうこうしているうちに外人モデルの撮影が終わり、カメラマンの終了!という声がかかった。こっちはスタジオが終われば帰れるから早く片付ける事しか考えていない。いち早くすべての電源を抜き掃除の準備に取り掛かろうとしたとき、カメラマンの「ウワァー!」という悲鳴がスタジオに響いた。

「誰だ!電源落としたのは!」

という半ギレ状態、こっちは訳が分からないから「はい、お疲れ様です!」とテキパキと動いている出来るスタジオマンを演じていたら、何やらカメラマンはパニックになってる。なんか面倒だからもう一度電源を差してこれでいいんじゃね?という態度でいるさらに切れてきた。意味わかんないし、帰りたいから適当にあしらってたら理由を説明されて怒られた。バックアップをとってないからPCの電源を抜いてはいけないとのこと。バックアップ?外国帰りかなんか知らないけど、バックドロップは技ですよねと思いながら訳わかんねぇなぁ〜と黙って聞いていた。マネジャーも登場して、平謝り。その後もう一度セットを組んで撮影は終了した。

その後またバナナスタジオに来た(安いから)けど、後輩に同じことをされてそのイケメンのカメラマンはキレにキレて(なんかキレると英語)来なくなりました。

電源問題、バックアップは大事なことだと後になって痛感してます。いい勉強になりました。あれから随分と経ったな、まだこっちはデジタルと格闘中で無制限一本勝負に負けっ放しですな。さてと今さらだけどD850の解説書でも読むか。

 

ドキュメント不良少年2018 湘南・平塚「泰成會」

湘南・平塚を取材し始めてもう7,8年が経つ。

ユース・カルチャーを撮影するのが目的で、主にポートレート(人物像)を記録する。今回撮影した少年たちは当時はまだ小学生?と思うと感慨深い。撮影には湘南の各地から80人位が集まってきた、15歳〜21歳までだろうか男ばかりだ。湘南地域でいつも思うのは服装がラフなこと、海に近いせいかTシャツや短パン、ビーサンも多い。あまり特攻服とか気張った格好は見かけない。

彼らは「湘南・平塚 泰成會」というチームで、硬派な愚連隊で薬物、詐欺、女を殴るのは御法度だ。仲間を大事にする家族のような集まりだという。

今回のページではリーダー格のT(18)が扉になった、カメラを向けても動じないし力を入れて身体に気合いを充満させる。

「オレも1枚撮ってくださいよ!」

自信たっぷりに力強く真っ直ぐにカメラを見てくる、この瞬間はポートレート撮影の醍醐味だ。この眼には喜怒哀楽の何が映ってるんだ?と考えたりする。

ポートレートで大切なことは眼だという、眼に全てが出ると。確かにレンズをみつめる行為はある意味で難しい。鏡を見て己と向き合うことに近いのかもしれない。

カメラを持った時に自分の周りの友達を撮ることから始めた。今では被写体にカメラを向けることに抵抗がなくなったが、当時は緊張してうまくいかない事が多かったと思う。

当時20才位の自分は格好つけて、人の眼を気にしてばかりだった(笑 雑誌に載ったりして調子に乗って自画自賛していたのが懐かしい。

LINEでTがコンビニで雑誌を見て載っているのを友だちと撮った写メを送ってくれた。これがこの仕事をしていて一番嬉しいことだ。

湘南はもう夏だ、今年も熱いな。

セイヤ / 2018.4

R134  / 2018.4

泰成會 / 2018.4

実話ナックルズ 2018年7月号