シリーズ 俺の粋

実話ナックルズの巻末の連載「シリーズ 俺の粋」が2018年11月号で終了した。2018年8月から写真を担当させてもらったのですが、いま思うと面白い撮影が多かったな。「粋」っていうのは言葉で言い表すものではなく、「感じるものだ」ということがこの連載で勉強になりました。古いもの新しいものに限らずこだわりをもって「物」に接しているその姿勢に「粋」を感じるのだろう。

2018年10月号の「彫り物」では中学の同級生であり、いまでも付き合いの深い彫健氏に取材をお願いした。彼はもう23年のキャリアを持つ和彫師であり、手彫りを生業としている(機械は使えない)ので繊細な仕事をしている。仕事柄でこわもてに見えるがとても気さくな男であり親しみやすいが、仕事のことになると職人魂を感じさせる。そんな彼の話で印象に残っている言葉があります。

「粋を語っちゃ、粋じゃねぇ」

8月号の「特攻服」では現役暴走族の松仁會が登場してくれました。集合場所の駅で待っていると「いまから迎えにいきま〜す」との連絡が爆音とともに聞こえた。いやいや、ノーヘルで単車にのって数台で迎えにきちゃダメでしょ。こちらは車なんだし、信号は守りましょうね。個性的な刺繍に漢気を感じました。

9月号では「ニッカポッカ」でバンドマンであり解体職人のライライさんが工場跡地でバッチリと決めてくれました。「○○市のさんま」の異名をとるほどの喋りが上手な彼は地元のキャバクラでもモテモテのようでした。さすがの見出しは「今、女遊びは超超ロングが1番モテる」です。海外にもニッカポッカを履いていくというそのこだわりに、外国人が憧れて日本に買いに来ていると思っています。(笑

11月号は「セットアップ」、オフィス北野所属の芸人さんガンビーノ小林さんが真紅のガルフィで決めてます。取材ではついにあの実話ナックルズかぁ〜って嬉しそうでした。男臭さを感じる彼に年季の入ったガルフィはトレードマークになってます。知る人ぞ知るガルフィはある意味喧嘩上等の証しとかで、イケてる男しか着れなかったそうです。

物が溢れるこの時代に古き良きものを大事にするその生き様が「粋」を感じるのでしょう!(まとめ過ぎやな)

実話ナックルズ 2018年8月号 「シリーズ俺の粋 現役暴走族 松仁會の特攻服」

実話ナックルズ 2018年9月号 「シリーズ俺の粋 リアライズドラマーライライのニッカポッカ」

実話ナックルズ 2018年10月号 「シリーズ俺の粋 文身師 彫健の彫り物」

実話ナックルズ 2018年11月号 「シリーズ俺の粋 芸人ガンビーノ小林のセットアップ」