「誰だ!電源落としたのは!」

D850が発売されたのが、2017年8月だから約1年経つ。

色々なところで評判がいいので気になっていた。

デジタルカメラの進化はもうとっくに興味を失っていたが、もう一度理解すべくスタジオショップに勉強会に行った……

サイレント撮影に興味があったが、ライブビューでしか出来ないから購入は悩むな。

俺はたぶん最後のフィルム世代だと思う。あれはまだバナナスタジオの頃、アメリカ帰りの凄いカメラマンが来るっていうから、その時のトップだった俺がファーストでスタジオに入った。助手席で大きなダンボールを抱えた赤のボルボ240が駐車場に入ってきた。出迎えてスタジオに案内してるとジャストサイズのストライプのスーツを着たイケメンの男がカメラマンとして挨拶してきた。(某歌手と結婚してた人)3年のスタジオライフでスーツのカメラマンは初めてだった。媒体は確かPOOLというモード誌だった気がする。段ボールを抱えてたアシスタントが「何もしなくてもいいですからライトだけ組んでください!」と声をかけてきた。あーそうですか〜と(3年もいると生意気)セットを組んで様子を見てたら何やらPCのマウスから組んだストロボライトを飛ばしている。なんだそりゃ?とこっちはポカン状態。コーヒーのお代わりを作ったりしながら撮影の様子を見ているがPCに画像が写っていて何がなんだかよくわからない。当時スキャンで画像をPCに取り込む事は知っていても、RZのカメラからPCにデータを取込むのははじめて見た。そうこうしているうちに外人モデルの撮影が終わり、カメラマンの終了!という声がかかった。こっちはスタジオが終われば帰れるから早く片付ける事しか考えていない。いち早くすべての電源を抜き掃除の準備に取り掛かろうとしたとき、カメラマンの「ウワァー!」という悲鳴がスタジオに響いた。

「誰だ!電源落としたのは!」

という半ギレ状態、こっちは訳が分からないから「はい、お疲れ様です!」とテキパキと動いている出来るスタジオマンを演じていたら、何やらカメラマンはパニックになってる。なんか面倒だからもう一度電源を差してこれでいいんじゃね?という態度でいるさらに切れてきた。意味わかんないし、帰りたいから適当にあしらってたら理由を説明されて怒られた。バックアップをとってないからPCの電源を抜いてはいけないとのこと。バックアップ?外国帰りかなんか知らないけど、バックドロップは技ですよねと思いながら訳わかんねぇなぁ〜と黙って聞いていた。マネジャーも登場して、平謝り。その後もう一度セットを組んで撮影は終了した。

その後またバナナスタジオに来た(安いから)けど、後輩に同じことをされてそのイケメンのカメラマンはキレにキレて(なんかキレると英語)来なくなりました。

電源問題、バックアップは大事なことだと後になって痛感してます。いい勉強になりました。あれから随分と経ったな、まだこっちはデジタルと格闘中で無制限一本勝負に負けっ放しですな。さてと今さらだけどD850の解説書でも読むか。