ドキュメント不良少年2018 湘南・平塚「泰成會」

湘南・平塚を取材し始めてもう7,8年が経つ。

ユース・カルチャーを撮影するのが目的で、主にポートレート(人物像)を記録する。今回撮影した少年たちは当時はまだ小学生?と思うと感慨深い。撮影には湘南の各地から80人位が集まってきた、15歳〜21歳までだろうか男ばかりだ。湘南地域でいつも思うのは服装がラフなこと、海に近いせいかTシャツや短パン、ビーサンも多い。あまり特攻服とか気張った格好は見かけない。

彼らは「湘南・平塚 泰成會」というチームで、硬派な愚連隊で薬物、詐欺、女を殴るのは御法度だ。仲間を大事にする家族のような集まりだという。

今回のページではリーダー格のT(18)が扉になった、カメラを向けても動じないし力を入れて身体に気合いを充満させる。

「オレも1枚撮ってくださいよ!」

自信たっぷりに力強く真っ直ぐにカメラを見てくる、この瞬間はポートレート撮影の醍醐味だ。この眼には喜怒哀楽の何が映ってるんだ?と考えたりする。

ポートレートで大切なことは眼だという、眼に全てが出ると。確かにレンズをみつめる行為はある意味で難しい。鏡を見て己と向き合うことに近いのかもしれない。

カメラを持った時に自分の周りの友達を撮ることから始めた。今では被写体にカメラを向けることに抵抗がなくなったが、当時は緊張してうまくいかない事が多かったと思う。

当時20才位の自分は格好つけて、人の眼を気にしてばかりだった(笑 雑誌に載ったりして調子に乗って自画自賛していたのが懐かしい。

LINEでTがコンビニで雑誌を見て載っているのを友だちと撮った写メを送ってくれた。これがこの仕事をしていて一番嬉しいことだ。

湘南はもう夏だ、今年も熱いな。

セイヤ / 2018.4

R134  / 2018.4

泰成會 / 2018.4

実話ナックルズ 2018年7月号